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法人概要

保育方針

「生きる力」をつけよう

平成25年4月
「生きる力」
 園長  前嶋 恭子
 心を育てるには昔話がいい。二千年もの間、語り継がれてきた昔話には、夢と希望と知恵と人が生きるための様々なメッセージが込められている。混沌とした今のような時代にこそ昔話にこめられている原点に戻ってみると、見えなかった物が見えて来たり人間の基本的な事に気付かせてくれる。
 例えば、桃太郎。どの子もいずれは社会に出て様々な体験をしなくてはならない。危険にも立ち向かわなくてはならない。それが鬼という形で表されているが、桃太郎はそれを征服することができた。しかし、彼一人の力ではなくキビ団子(食物)を分かち合うことによって、犬・猿・きじという忠実な仲間を得たからである。キビ団子は両親の心をこめた手作りの愛のシンボルであり、本当に心の底から愛されて育つと、基本的な信頼感が心の中に育ち、良い仲間を得、危機に遭遇しても苦境を切り抜ける支えとなっていくことを伝えている。そして子どもが自分の道を見つけたら、しっかりとエールを送って社会に送り出してやる。龍の子太郎・金太郎・三年寝太郎など共通した親へのメッセージと読める。また、人が成長するにつれ、どうしてもつかんでいなくてはならない教訓が沢山あるが、ある行いをする時、自然にわき出てくる本当の親切心で事を行えばよい結果が得られ、自分だけ得しようとすると姿も以前より醜くなるというこぶとりじいさんの話はとてもわかりやすい。舌きり雀もしかりである。
 西洋の昔話もはっきり物語っている。子どもたちの大好きな三びきの子ぶたは、人が生きていく上で現実原理と快楽原理のどちらをとるか常に直面する事を暗示させる。大ぶた、中ぶたは遊びたい気持ちが先行して手をぬいてさっさと家を作ってしまうが、小ぶたは現実原理に従って将来何が起こるか(狼の襲撃)も見通して行動したため難を逃れる事ができた。子ぶたが勝っていた点も腑に落ちるものがある。
 兄弟(姉妹)には常に兄を越えたい、いや弟には負けたくないという葛藤がある。シンデレラの姉妹間の競争意識もすさまじいものがあるが、最終的には幸せへの確信を得る事ができる。白雪姫やねむり姫は、女の子が様々な危機に直面しながら成長し幸せをつかむ。母親はやがて自分を越えて美しく成長していく娘に、嫉妬したり自立を妨げるようであってはならない。魔女は悪い母親の仮の姿であり意のままにしてはならない。ヘンゼルとグレーテルでは甘い言葉や行為(お菓子の家)で子どもをのみこんではならないと、はっきりとおしえている。しかし、現実にはなかなかその証が得られず、もしかしたら自分より兄や姉、弟や妹の方が親に好かれているのではないかと気に掛け、両親にはいつも甘えていたい、しかし、自己は確立したいとの思いが常にある。こうした悩みや心配に対して、昔話はどのような道があるのか勇敢に立ち向かえばきっとハッピーになれると子どもたちに約束してくれ、無意識のうちにさりげなく、それを心に植え育ててくれるのである。
 年長さんの教室から歌が聞こえてくる。実に楽しそうである。お話しする時、ここに書いたような意義や説明は子どもには一切必要でない。お話のおもしろさ、そして何よりお母さんのやさしい語りに夢中になって耳を傾ける時、子どもにはすべてが満たされているのだ。その記憶がきっと明日への強い心や生きる力を育てていくのだと私は思う。

概要

施設名学校法人 前嶋学園
所在地
〒446-0044 
愛知県安城市百石町1-22-12
電話番号0566-76-6714
FAX番号0566-77-6309
代表者理事長 前嶋恭子
業務内容保育園・幼稚園の運営

沿革

■昭和45年
学校法人 前嶋学園 認可  
安城市百石町にてらべ幼稚園 開園
■平成8年てらべ幼稚園 園長 前嶋 恭子就任
■平成10年大府市長草町にパレット幼稚園を開園
■平成16年てらべ幼稚園 耐震工事完了
■平成20年認定こども園 こどもの城保育園 認可開園 (幼保連携型で私立では愛知県初の認定こども園 0・1・2歳児対象)
■平成22年認定こども園 大府西こどもの城保育園 認可開園(0・1・2歳児対象)

アクセスマップ

愛知県安城市百石町1-22-12
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